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38歳になった我が子の姿を思い描いて

大館市教育委員会 教育監 山本多鶴子氏講演 「高い学力の秘密は、学校と家庭と地域の連携に!  秋田県大館市の教育とは」より【後編】

2019年3月24日(日)、世田谷区の昭和女子大学1号館で開催した「ダヴィンチマスターズ」の第14回では、山本多鶴子氏による保護者向け講演会が行われました。「大館だから」ではなく、「学校と家庭と地域の連携」によって、子どもたちはまだまだ伸びる──そう感じさせてくれる講演内容を、一部抜粋し、前後編でお届けする後編です。

子どもたちを学校と家庭との両輪で育てていく


小中学生の学力検査で常に上位にある秋田県の中でも、トップクラスの結果を出していることで知られる大館市。その背景には「秋田県には、学校優先という県民性があることが大きいでしょう」と山本さんは言います。


前編でもお伝えした通り、学習塾がほとんどない大館市では、学校での授業が大きなウェイトを占めています。加えて「各家庭で、家に帰ると宿題をしなさい、家庭学習をしなさいという声掛けをしているんですね」


また「学校でこうした活動がある」と知らされれば、それを優先したうえで家族の予定を立てるのが大館の子育て。これは先述の通り先生方が授業にかける思いの強さが各家庭に伝わっており、だからこそ「教育への期待が大変大きく、学校への協力につながっている」からだと言います。


子どもたちを学校と家庭との両輪で育てていくという風土が、培われてきているのです。


「もちろん、大館が初めからこうだったわけではありません。20~30年前は、給食費の未納もたくさんありました。


でも今は学校に対する思いがあり、学校のことを最優先にと思って、保護者の方々がしょっちゅう学校に足を運んでくださり、一緒にいろいろな活動をしている。


結果的にこの5年、給食費の未納がゼロになりました」


家庭学習も「今日は何をしようかな」と自分で考える


ところで家庭学習ではどのような内容を学んでいるのでしょうか。


さぞかし先取りをしているのだろうと思いきや、「大館の場合、家庭学習で予習はほとんどしません。メインは復習です」と山本さん。


「学校での学習をすでに履修していると、学校での学びに新鮮さがなくなりますよね。

学校の先生方は初めて教材に出会った時の感動や、『はてな』をうまく利用して授業をしていきます。ですから教科書を回収して教室であずかるケースもあるのです」

また復習といっても、直接的な宿題が出されるばかりではないのだそう。


「ほとんどは今日は自分で何を勉強しようということを考えさせる学習です。


子どもたちは『家庭学習をしなさい』と言われると、『今日は何をしようかな』と自分で考えるのです。この振り返る時間が大切なのです」